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ある時代の流れの中に存在した、ひとつの研究施設を軸にしたキャラ紹介と物語。「戻る」はブラウザBackかパン屑リスト使用推奨です
 
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その日俺は、新たに訪れた街で情報を得ようとその酒場を訪れた。
酒場の名前は覚えていない。
適当に歩いて見かけた看板の店に入っただけだったからだ。
「ホントだって。その大陸には宝玉って便利な魔具があってな。
宝玉を使えばそこに封じられたいろいろな力を自分のものにすることが出来るんだってよ」
思い思いに盛り上がるテーブルの中で、ひときわ大きく沸く一つのテーブル。
そこから漏れ聞こえる話に、俺は耳を留めた。
どうやらそのテーブルについている一人の人間が、他の大陸で見聞きしてきた冒険談を語っているようだった。
酒が入った人間は気が大きくなり、話も大げさになる傾向がある。
それもそんな話の一つだろうと半ば高をくくっていたが、誇張分を差し引いたとしても男の話は興味を引いた。

何でもその大陸には昔すごい実力を持つ魔術師が居て、そいつが翼を持つ神々を殺し尽くし、宝玉という容に封じ込めたこと。
一つ一つが素晴らしい力を持つそれを武器に流用できないかと研究する人が居て、やがてその宝玉の力を引き出し力とする技術が確立され、それが戦いに流用され始めたこと。
そしてその最初の魔術師の弟子たちが学院を作り、全ての人間にその門戸を開いていること・・・。
最近ではその学院に出た天才の力により、宝玉に封印するというその技術が発明された・・・とか。
(神々を封じた宝玉・・・か・・・・・・)
俺はグラスの中の琥珀色の液体に口をつけながら、しばし思考に浸った。
それがどれ程のものかは想像がつかないが、たかだか人間の魔術師に滅ぼされるような相手である。
それ自体はそう大したものでない可能性が高い。
ただ対象の力を・・・ひょっとするとその存在すべてを封じる宝玉という技術自体には、心を惹かれるものがあった。
強めのアルコールが喉を滑り落ちる感覚を楽しみながら、俺は決めていた。
立ち上がり、未だなお話に沸いているそのテーブルへと向かう。
「・・・よかったら俺にも聞かせてもらえないか?その大陸の名は・・・・・・?」

それが俺がこの大陸・・・フェリシアに降り立つことになった最初の始まりだった。

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