[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
某紳士さんにブログで設定(というか告白)を拾ってもらって、中の人が嬉しさに踊り出したので勢いで書きました(何)。
ああ…ブランクが長すぎる……。
見苦しいところも多々ありますが、何となく感じだけでもつかんでいただければ…!
そしてラス回での告白、DK3に続いて2回目です。
…こんなんお約束にしたないわー!!!(蹴
告白しといてキャラ変更になるのも同じです。……ああ、幸せが欲しい…(マテ)
本家ラスイベの都合上、少し重い話になりますので苦手な方はご注意くださいませ。
そしてレンさんより先に倒れたため、SS中で名前が出せなかったです。…ごめんなさい(汗)
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
『ホンマにおおきに。…ここであったこと忘れへんわ』
風夏はクロードに対して言った言葉をもう一度口の中で呟く。
竜司を捜してあちこちを彷徨い歩き、たどり着いたここはまるで魂の牢獄だった。
生者の国で命を落とし肉体を失った魂たちが集う場所…死者の国「ヘブンズゲート」。
自分が死んだ覚えなど全く無いし、そもそもここに来る直前の記憶が薄れていて思い出せない。
ただ覚えているのは神々しささえ感じる白い翼と、誰かの赤い瞳。
ただそれだけだった。
金色に輝くハリセンの柄をぐっと握りしめる。
教えてもらった話では通常は、この世界で魂が滅びると次の世界へと移り、そうして9つの世界を通り抜けて、生者の世界へと戻るのだという。
だが自分や仲間たちが置かれた立場はそれとも異なるもので、世界を渡ることも出来ず滅びてもまたこの世界に新しく生まれ変わるのだとか。
それが『魂を滅ぼす』という力を持つ翼持ちし天使と死神なのだと、そういうことのようだった。
「あったことをぜんぶ忘れて新しい自分になる?…そんなん嫌やわ」
この世界に生きた魂の記憶は魂殻の崩壊によって消える。
何も、残らない。
だからすべては無駄だという意見も聞いた。
存在(あ)るのは現在だけ、過去も未来もすべて存在しない。
「そんなんおかしいわ。ウチは…何があろうと覚えとる。絶対忘れへんわ」
大切な仲間、友達、そして…好きだった人。
何一つとして失くしてしまうつもりはない。
それらがあったから自分が居る。そしてこれからも生きていく。
その為にもこの世界から脱出してみせる。
何も失わないで元の場所へ戻ってみせる…!
風夏は空を見上げた。
ふとその意識の隅で何かがちり…と騒ぐ。
嫌な予感が背中を滑り落ちた。
禍々しい咆哮が耳に届く。
同じように空を見上げ、険しい顔で武器を取った仲間達の後ろ姿が見え、風夏は慌てて駆け出した。
今までの戦闘では感じなかったほどの大きなプレッシャーが重く、肩にのしかかる。
「な、なんや……?何が……」
無意識に掠れた声が零れた。
見たことも無い大きな獣が前に降り立つ。
背中を苛み続ける嫌な予感はむしろ段々と強くなっていった。
その獣が大きく口を開ける。
その強さは………。
圧倒的だった。
クロムが倒れ、ディールがトキが倒れ、ハッとしたときにはもう遅かった。
炎を纏った地獄の番犬の一撃に跳ね飛ばされる。
魂が悲鳴を上げているのが何故か分かった。
薄らいでいく意識を必死に繋ぎとめながら、必死に目を開ける。
その視界に映る空が…割れたのが見えた。
「空…が、割れ…る……て」
そないなこと、あるわけないやんか。
その隙間から大きな長い棒が伸びて…ああ、あれ…爪やろか……?
あはは…こないにでっかい指なんか初めて見たわ。
きっと手も腕も顔もでかいんやろなぁ……。
意識が混濁していく。
風夏は揺らぐ視界の端に映った金色のハリセンに、地面に這いつくばったまま震える手を伸ばした。
……まだや。まだ…終わられへん。
忘れて生まれ変わるのもまっぴらやけど、このまま消えてしまうんも嫌や。
「ウチ…は………」
ウチにはまだやることがあるんや……っ。
こんなんで…こんなんで諦めて消えてまうわけにはいかへんのや……!
いつの間にかぼやけていた視界がぐらりと大きく崩れる。
その指先がハリセンの柄に触れる寸前…あと数cmの距離で、風夏の意識は闇へと沈んでいった。