ある時代の流れの中に存在した、ひとつの研究施設を軸にしたキャラ紹介と物語。「戻る」はブラウザBackかパン屑リスト使用推奨です
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新年、明けましておめでとうございます。
今年も輝きまくってるジーンがお届けするわ。
というか段々センの陰が薄くなってる風に感じるのは私の気のせい?
脇役がしっかりしてないと主役も輝かないんだから、センにはしっかりして欲しいわね。
背後はまだ咳き込んでるわよ。
もう一度病院に行きなさいって言いたいところね。
まあ、咽頭炎だろうと当たりはつけてるわ。
…決して注射が怖いわけじゃないわよ?どうせ打たれるのは背後だしね。
今日はお題から「05 もしも明日世界がほろびるなら」をお送りするわね。
何だか物騒な話になりそうね。
いつもと同じく、この指令は『番外編用12のお題~もしも編~』
「ing+be...」さま(http://xy765.web.fc2.com/)からお借りしてるわ。
**********
床に描かれた魔法陣に踏み入れると、ふわりと体が浮かぶような浮遊感に襲われて思わず目を閉じた。
すでに数度利用しているが、まだこの感覚には慣れない。
こんな仕組みになっているのは、遺跡のどんなに深層部からでも一瞬で外に帰れる様に、との配慮からなのだろうか?
それともただ単にこの遺跡が通常ではない空間等に展開されていて、普通に出入り口を付けることが出来なかったからなのだろうか?
「……何だかどの結論を辿っても、最終的には愉快犯とかに落ち着きそうなのが限りなく不安だな…」
俺はぼそりと呟く。
元々怪しげなものは信じないようにしている…この遺跡は最初から怪しげな空気でいっぱいだ。
遺跡の内外で出会う冒険者たちも色々と変わった相手が多い気がするが、まあそちらは冒険者とはそういうもんだろうという一言で片付けることが出来た。
俺とて目的があっての旅とはいえ、同じようなものだ。
……たぶん俺だって傍から見ればそれなりに怪しい人物の仲間入りなんだろうなと思う。
目眩に似たブレが収まって閉じていた目を開けながら、俺は1人苦笑を零した。
自分が怪しくないなんて自信はまるで無い。…昔、会うなり変質者扱いしてきたやつも居たことだ。
それなりにそこそこ怪しい部類に入るのだろう。
足元で咎める様な視線を俺に注いでいる白猫に気づき、さらに笑みを苦くした。
何だかこの猫には俺の思考も読まれている気がする。
気のせいだといいんだが、こいつの行動はやたら人間臭いところもあるし、所作からたぶん人間の言葉等も理解しているのだろうと窺えたから、おそらく間違ってはいないだろう。
「…野営地に帰るぞ」
だから弁解はせずに、さっさと前にテントを張っていた方向へと歩き出した。
遺跡探索で賑わう冒険者を狙ってか、遺跡の近くに町のようなものも出来、宿泊施設もあるらしいが…食事をするにしても宿泊するにしても先立つものが必要だ。
端から基本的に野宿でと決めていたし、今日もまたそうすることに異論等あるはずがない。
…心なしか肩を落とした白猫の気持ちは別として。
この前遺跡に入る前にテントを張っていた場所に先客は無く、今回もまたそこに落ち着くことになった。
さすがにこの季節、寝袋だけでは色々と不都合も多い。
すでに慣れた野営の準備をしながら、俺はふと手を止めて耳を澄ませた。
ピリピリと空気が張るような嫌な予感がする。
地面の奥の方から聞こえてくるような唸りの様な響きに、俺は眉を潜めた。
とっさに姿勢を低くして地面に屈む。
白猫のことがふっと意識を過ぎって周囲をざっと見回すが、勘のいい猫はもう避難したのか視線の届くところには居なかった。
くらりと遺跡を出るときのような軽い目眩がしたかと思うと、一瞬のちにドンっという強い突き上げが地面を揺らす。
思わず歯を食いしばり、地面を掴んだ。
突き上げの後、一拍ほど置いて大きな横揺れがグラグラと数度…張っていたテントがバサバサと大きな音を立てて崩れる。
少し離れたところに立っている樹の枝の揺れる音が激しい…。
折れて飛んできたらと思うと、少しだけ背筋が冷えた。
…どれぐらいそうしていただろうか?
揺れが完全に収まったと感じて、俺は四肢の力を抜く。
少し目が回っているのか、視界が定まらず何度か瞬きした。
そろそろと立ち上がる。
「……無事か?」
再び周囲を見回しながら何となく問いを発すると、潰れたテントの布の下がもぞもぞと動き、やがて思い切り機嫌悪そうな顔で布の端から白猫が姿を見せた。
自業自得だと言いそうになるのを咳払いで抑え、周囲に散乱した持ち物を拾い集める。
結構大きな揺れだったが、とりあえず怪我は無いし見た感じ地割れなども無いようだ。
まずは無事でよかったと言うべきか。
「…俺が戻らなかったから、セインが心配するしな…」
呟きながら、どこか後ろめたいような苦笑いが零れるのを止められなかった。
どうしてもその野望を止めたい相手が居る。
その為に自分は旅をしてきた。
だが、どこかでいつ自分の世界が終わってしまっても構わないと思ってしまう心があるのも事実だ。
死にたいわけじゃない…だが死にたくないと言うことも出来ない。
だからこそ、自分を待ってくれる人間を作るつもりは無かった。
自分は生に対する意識が希薄すぎると、自身で分かっていた。
唯一血を同じくするセインだけは何をしても待っていてくれるのだろう。
それだけは確実だと知っていたし、それだけでも十分すぎるほど十分だった筈だ。
それなのに…俺は彼女に待っていて欲しいと願ってしまった。
その為に彼女の心をかき乱し傷つけて…最後には逃げてきてしまった。
今、彼女はどうしているのだろうか……。
白猫に足に体当たりを食らって、はっと物思いから覚める。
くいっと顎をテントの方へと向けるということは、早く立て直せとでも言っているのか。
「………幸せでいてくれ…」
彼女が笑っていてくれれば、それなら俺は…。
おそらく口が利ければ俺に対する悪態ばかりだろうが、それでも今はこの白猫が喋ることが出来れば…と思ってしまった。
**********
脇役にはしっかりして欲しいとは言ったけど、あたしを疎かにしていいって言ったんじゃないんだけど…。
少しお題からは外れ気味かしらね?
「(自分の)世界が滅びる」=死という形で表現したみたいよ。
何だか新しい名前も出てるわね。
セインってセンと名前が似てるけど、兄弟とかかしら?
あと「彼女」って誰かしらね? この男に恋愛関係があったとは到底思えないんだけど…。
今年も輝きまくってるジーンがお届けするわ。
というか段々センの陰が薄くなってる風に感じるのは私の気のせい?
脇役がしっかりしてないと主役も輝かないんだから、センにはしっかりして欲しいわね。
背後はまだ咳き込んでるわよ。
もう一度病院に行きなさいって言いたいところね。
まあ、咽頭炎だろうと当たりはつけてるわ。
…決して注射が怖いわけじゃないわよ?どうせ打たれるのは背後だしね。
今日はお題から「05 もしも明日世界がほろびるなら」をお送りするわね。
何だか物騒な話になりそうね。
いつもと同じく、この指令は『番外編用12のお題~もしも編~』
「ing+be...」さま(http://xy765.web.fc2.com/)からお借りしてるわ。
**********
床に描かれた魔法陣に踏み入れると、ふわりと体が浮かぶような浮遊感に襲われて思わず目を閉じた。
すでに数度利用しているが、まだこの感覚には慣れない。
こんな仕組みになっているのは、遺跡のどんなに深層部からでも一瞬で外に帰れる様に、との配慮からなのだろうか?
それともただ単にこの遺跡が通常ではない空間等に展開されていて、普通に出入り口を付けることが出来なかったからなのだろうか?
「……何だかどの結論を辿っても、最終的には愉快犯とかに落ち着きそうなのが限りなく不安だな…」
俺はぼそりと呟く。
元々怪しげなものは信じないようにしている…この遺跡は最初から怪しげな空気でいっぱいだ。
遺跡の内外で出会う冒険者たちも色々と変わった相手が多い気がするが、まあそちらは冒険者とはそういうもんだろうという一言で片付けることが出来た。
俺とて目的があっての旅とはいえ、同じようなものだ。
……たぶん俺だって傍から見ればそれなりに怪しい人物の仲間入りなんだろうなと思う。
目眩に似たブレが収まって閉じていた目を開けながら、俺は1人苦笑を零した。
自分が怪しくないなんて自信はまるで無い。…昔、会うなり変質者扱いしてきたやつも居たことだ。
それなりにそこそこ怪しい部類に入るのだろう。
足元で咎める様な視線を俺に注いでいる白猫に気づき、さらに笑みを苦くした。
何だかこの猫には俺の思考も読まれている気がする。
気のせいだといいんだが、こいつの行動はやたら人間臭いところもあるし、所作からたぶん人間の言葉等も理解しているのだろうと窺えたから、おそらく間違ってはいないだろう。
「…野営地に帰るぞ」
だから弁解はせずに、さっさと前にテントを張っていた方向へと歩き出した。
遺跡探索で賑わう冒険者を狙ってか、遺跡の近くに町のようなものも出来、宿泊施設もあるらしいが…食事をするにしても宿泊するにしても先立つものが必要だ。
端から基本的に野宿でと決めていたし、今日もまたそうすることに異論等あるはずがない。
…心なしか肩を落とした白猫の気持ちは別として。
この前遺跡に入る前にテントを張っていた場所に先客は無く、今回もまたそこに落ち着くことになった。
さすがにこの季節、寝袋だけでは色々と不都合も多い。
すでに慣れた野営の準備をしながら、俺はふと手を止めて耳を澄ませた。
ピリピリと空気が張るような嫌な予感がする。
地面の奥の方から聞こえてくるような唸りの様な響きに、俺は眉を潜めた。
とっさに姿勢を低くして地面に屈む。
白猫のことがふっと意識を過ぎって周囲をざっと見回すが、勘のいい猫はもう避難したのか視線の届くところには居なかった。
くらりと遺跡を出るときのような軽い目眩がしたかと思うと、一瞬のちにドンっという強い突き上げが地面を揺らす。
思わず歯を食いしばり、地面を掴んだ。
突き上げの後、一拍ほど置いて大きな横揺れがグラグラと数度…張っていたテントがバサバサと大きな音を立てて崩れる。
少し離れたところに立っている樹の枝の揺れる音が激しい…。
折れて飛んできたらと思うと、少しだけ背筋が冷えた。
…どれぐらいそうしていただろうか?
揺れが完全に収まったと感じて、俺は四肢の力を抜く。
少し目が回っているのか、視界が定まらず何度か瞬きした。
そろそろと立ち上がる。
「……無事か?」
再び周囲を見回しながら何となく問いを発すると、潰れたテントの布の下がもぞもぞと動き、やがて思い切り機嫌悪そうな顔で布の端から白猫が姿を見せた。
自業自得だと言いそうになるのを咳払いで抑え、周囲に散乱した持ち物を拾い集める。
結構大きな揺れだったが、とりあえず怪我は無いし見た感じ地割れなども無いようだ。
まずは無事でよかったと言うべきか。
「…俺が戻らなかったから、セインが心配するしな…」
呟きながら、どこか後ろめたいような苦笑いが零れるのを止められなかった。
どうしてもその野望を止めたい相手が居る。
その為に自分は旅をしてきた。
だが、どこかでいつ自分の世界が終わってしまっても構わないと思ってしまう心があるのも事実だ。
死にたいわけじゃない…だが死にたくないと言うことも出来ない。
だからこそ、自分を待ってくれる人間を作るつもりは無かった。
自分は生に対する意識が希薄すぎると、自身で分かっていた。
唯一血を同じくするセインだけは何をしても待っていてくれるのだろう。
それだけは確実だと知っていたし、それだけでも十分すぎるほど十分だった筈だ。
それなのに…俺は彼女に待っていて欲しいと願ってしまった。
その為に彼女の心をかき乱し傷つけて…最後には逃げてきてしまった。
今、彼女はどうしているのだろうか……。
白猫に足に体当たりを食らって、はっと物思いから覚める。
くいっと顎をテントの方へと向けるということは、早く立て直せとでも言っているのか。
「………幸せでいてくれ…」
彼女が笑っていてくれれば、それなら俺は…。
おそらく口が利ければ俺に対する悪態ばかりだろうが、それでも今はこの白猫が喋ることが出来れば…と思ってしまった。
**********
脇役にはしっかりして欲しいとは言ったけど、あたしを疎かにしていいって言ったんじゃないんだけど…。
少しお題からは外れ気味かしらね?
「(自分の)世界が滅びる」=死という形で表現したみたいよ。
何だか新しい名前も出てるわね。
セインってセンと名前が似てるけど、兄弟とかかしら?
あと「彼女」って誰かしらね? この男に恋愛関係があったとは到底思えないんだけど…。
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