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ある時代の流れの中に存在した、ひとつの研究施設を軸にしたキャラ紹介と物語。「戻る」はブラウザBackかパン屑リスト使用推奨です
 
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…前回は何だか日付まで貼り付けちゃったみたいね(汗)。
毎度、ジーンよ。
見直してないことバレバレってやつかしら?
今、背後は書きたい気持ちは溢れてるのに、集中力が足りなくて困ってるみたい。
まったく気が逸れやすい人だからアレよね…。

お題は「08 もしも学園物(orRPG)だったら」第三章。
このお話ってばまだ続くの…?
いつもと同じく、この指令は『番外編用12のお題~もしも編~』
「ing+be...」さま(http://xy765.web.fc2.com/)からお借りしてるわ。

**********

「…というわけで、今日この日があるのは全て神のご加護があってのことなのです」
どこか胡散臭い微笑を湛えた司祭が、長々と続いた話をそう締めくくった。その室に居る者で私語を交わす者はなく、皆神妙な顔で前を向いている。センはこめかみを押さえ、小さくため息を落とした。最初に聖堂を訪れてから、すでに一週間が経過していた。
「皆さん、神に祈りましょう。明日もまたより良き日が訪れますように…」
首に掛けた十字架を手の内に握りしめて司祭が目を閉じて祈りの言葉を呟くのを、やや胡乱な目で見つめる。周囲の修道士達も卓の上に置いた聖書に手を当て、司祭と同じように目を閉じて言葉を復唱していた。だいぶここでの生活にも慣れてきたが、それでもやはりこういう時はとっとと椅子を蹴って帰りたくなる。センはこめかみをさらにぐりぐりと揉みながら、ただ時間が過ぎ去るのを待ちわびた。ある意味これは拷問に近いと思う。一体何の嫌がらせなんだと問いたくなる。
「また酷い顔ですね。今日も神のご加護は感じられませんでしたか?」
何時間も経ったかとも思える祈りが終わって、部屋を出たセンの目の前にいつもの顔が姿を見せた。終わる時間を計って通りかかるのか、必ずこうやって現れてはからかうような言葉を吐いていくのだ。センはすうっと目を細めてアルノー司祭をねめつけた。
「俺はあんたみたく暇人じゃない…。だいたい俺は何度も言ったはずだな?俺が求めたのは用心棒としての職であって、こんなことをしにきたわけじゃない」
思わず恨み言をぼそと呟けば、しいっと言うようにアルノーが口元に立てた指を当てる。分かっている。こんなことが他の司祭やら何やらの耳に入れば、戒律違反やら何やらで罰則を食らうというのだろう。実際問題、すでに何度か危ういことがあった。その度にどうやらこの司祭が手を回して何とか逃れさせてくれたらしいが、そもそもそれを恩義に感じる前にこんなことになる原因を作ったのはこの司祭だったので感謝する気も起きなかった。
「分かっていますよ。ただここで生活してもらうにはせめて修道士でないと困るのです。それに身を清め、より高潔な存在になるためにこういう修行をしていただくことは、決してあなたにとってマイナスにはならない筈です」
アルノーは涼しい顔でそう説いたが、目の奥に面白がるような光が浮かんでいるのを隠そうともしなかった。やはりこれまた何度も考えたことだが、どうしてもこの司祭に遊ばれているようなそんな思いを消せることはない。
「どう考えても、すでに十分マイナスの気がするんだがな……」
今度は憚ることなく大きなため息を吐き、センは額を押さえた。得られた情報にまったく進展はなく、このままずるずると時を過ごしそうな嫌な予感さえしている。何かもう諦めてさっさと逃げてしまいたい気もするが、それはそれで負けたような気がして複雑な思いになるので実際には行動には移せなかった。
「…で?今日も俺の気を逆撫でに来たのか?」
恨めしげな目で司祭を見上げ、精一杯棘を込めて問いを発する。自分より背が数十cm高いのも気に食わない。これまで以上にセンの不機嫌さを感じ取ってか、アルノーが苦笑した。腕に掛けていた外出用の黒い外套を持ち直す。
「私は素直にあなたを心配しているつもりなのですがね。…あとはそうですね。そろそろ仕事をお願いしようかと」
司祭の言葉の前半にツッコミを返そうとして、センははたと動きを止めた。眉根を寄せたまま、窺うようにもう一度アルノーの顔を見つめる。この一週間聞かなかった言葉が聞こえたような気がする。
「…仕事?」
「はい、仕事です。下町に用ができたのですが、事が事だけにやや危険が推測されますので」
口の中で反芻するように呟いた言葉に、再びアルノーの声が重なった。その言葉の内容が頭の中で急速に焦点を結ぶ。
「なら、取り上げた俺の武器を返せ。あと、詳しい話もだ…」
理解すると同時にセンの口元に抑えきれない笑みが浮かんだ。ここ一週間の鬱憤を晴らす意味でも外の空気を久しぶりに吸えるという意味でも、単純に意識が高揚する。そんなセンにつられてか、アルノーもふっとやや砕けた笑みを零した。
「ここでは何ですから、では部屋で詳細をお話しましょう。こちらへ来てください」
儀礼的な敬意とあまり好意的ではない視線を浴びながら、センはアルノーの後を追う。用心棒をすることは主目的ではなかったが、それまでの生活が生活だったためか何だかそれだけで妙な満足感を覚えるセンだった。

**********

あっ、ようやく少し学園物っぽい所が出たかしらね?
…そうでもないかしら?
というか遊ばれるのには絶対、本人に原因がありそうよね…。

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