ある時代の流れの中に存在した、ひとつの研究施設を軸にしたキャラ紹介と物語。「戻る」はブラウザBackかパン屑リスト使用推奨です
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碧の髪をした青年が工房の裏手に立っていた。
身に纏う黒系統の服は忍び寄りかけた夜闇にまぎれ、彼をうまく周囲に溶け込ませている。
「…エルディスさん?」
セインはその名を口にした。
振り返った青年は道端で友人と出会ったように、ひょいと手を上げて笑う。
「セインさん、くれぐれも無茶はしないよーにね」
軽口のようなその言葉に、思わずセインも笑みを零した。
「本当に来て下さったんですね…」
逃げ隠れし続けるのもなかなか大変だった。
里に帰ってきてから10日余り。
それらの日々をほとんど気を許せずに過ごした。
それでも頑張れたのは、「協力する」と言ってくれた人たちがいたからでもある。
たとえそれが社交辞令でもよかった。
その気持ちだけでも十分だと思っていた。
「やっぱりあなたはいつでも一番に駆けつけてくださるんですね。でも……何故?殺されるかもしれないんですよ?」
嬉しかった。が、聞かなくてはならないと思った。
エルディスが少し照れくさそうに頬を掻く。
「仲間がピンチなのを知ってて放っておけるわけがないから…かな?
それに自分の欲の為に争いを起こす奴は…どうしても許せない」
その言葉を聞いて、セインは本当に嬉しそうに微笑んだ。
何の躊躇いもなく自分を仲間と呼んでくれる。
その心が今はとても力強い……。
もうすぐ完全に陽が落ちる。
夜闇は忍びたちにとって望むべくもの。
おそらくこの機に撃ってでてくるやもしれない。
だが勝負はまだこれから―――。
セインが清円刀を握りしめる横で、エルディスはフレイムソードを抜いた。
そして夜が始まった……。
身に纏う黒系統の服は忍び寄りかけた夜闇にまぎれ、彼をうまく周囲に溶け込ませている。
「…エルディスさん?」
セインはその名を口にした。
振り返った青年は道端で友人と出会ったように、ひょいと手を上げて笑う。
「セインさん、くれぐれも無茶はしないよーにね」
軽口のようなその言葉に、思わずセインも笑みを零した。
「本当に来て下さったんですね…」
逃げ隠れし続けるのもなかなか大変だった。
里に帰ってきてから10日余り。
それらの日々をほとんど気を許せずに過ごした。
それでも頑張れたのは、「協力する」と言ってくれた人たちがいたからでもある。
たとえそれが社交辞令でもよかった。
その気持ちだけでも十分だと思っていた。
「やっぱりあなたはいつでも一番に駆けつけてくださるんですね。でも……何故?殺されるかもしれないんですよ?」
嬉しかった。が、聞かなくてはならないと思った。
エルディスが少し照れくさそうに頬を掻く。
「仲間がピンチなのを知ってて放っておけるわけがないから…かな?
それに自分の欲の為に争いを起こす奴は…どうしても許せない」
その言葉を聞いて、セインは本当に嬉しそうに微笑んだ。
何の躊躇いもなく自分を仲間と呼んでくれる。
その心が今はとても力強い……。
もうすぐ完全に陽が落ちる。
夜闇は忍びたちにとって望むべくもの。
おそらくこの機に撃ってでてくるやもしれない。
だが勝負はまだこれから―――。
セインが清円刀を握りしめる横で、エルディスはフレイムソードを抜いた。
そして夜が始まった……。
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