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ある時代の流れの中に存在した、ひとつの研究施設を軸にしたキャラ紹介と物語。「戻る」はブラウザBackかパン屑リスト使用推奨です
 
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「島が丸ごと学校やなんて、ほんまにここは非常識やわ…」
深い森林の中で息を切らしながら、風夏はぼやいた。
黒ずくめの変な学生(?)に戦闘を挑まれて、変な魔法を受けながら何とか逃げ出してきたところだ。
以前にも同じような格好をした相手に遭遇したことがあるが、そのときもズタボロにやられた記憶がある。
「こんなか弱い乙女に何するねん。玉のお肌に消えへん傷でもついたら、笑い事やないで」
風夏はぶつぶつと不平を漏らした。
追っ手がないことを確認すると、立ち止まりざっと全身の負傷の状態を点検する。
打ち身や擦り傷が鈍い痛みを伝えてくるが、幸いにして大きな怪我はなかった。
ちゃんと手当てをすれば、すぐに治りそうな程度のものばかりだ。
「逃げるのとか防ぐのは苦手なんやけど…ようこれだけで済んだわ」
風夏は小さく息を吐く。
どちらかと言えば守りより攻撃重視。
先手を取って、圧倒的な火力で押し切る。
それが風夏の基本的な戦闘スタイルだ。
「リェンも守りは苦手やもんなー」
風夏は指輪にちらっと目を向けると、指輪自体がほんのりと赤い光を帯びていることに思わず笑みを刻んだ。
彼女を守護している炎の精霊は、彼女以上に攻撃的である。
「今回は惨敗やったけど、次の戦いは飛ばすで〜。
ええな、リェン?」
風夏の声に呼応するかのように、指輪から立ち上った陽炎が揺らいだ。
名前に夏を冠する少女と炎の精霊の呼吸は、確認するまでもなくぴったりなのだった。

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