忍者ブログ
ある時代の流れの中に存在した、ひとつの研究施設を軸にしたキャラ紹介と物語。「戻る」はブラウザBackかパン屑リスト使用推奨です
 
トップページ ≫  story ≫  ≫ [PR]レン・ラムリィ ≫ 第一世界「意味なんか無いんだよ(2)」
 
 [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

断末魔の悲鳴を上げながら、堕ちていく妖鳥を女は見送った。
一息、安堵のため息が零れる。
思ったより苦戦することなく、戦闘は終了した。
先制の一手が成功すればあとはそのままの流れで、一方的な展開になった。
後は証明となるよう爪のひとつでも持ち帰れば、依頼は完了する。
「ちょっと拍子抜けしちゃったねぇ…」
女は苦笑した。
もちろん楽に勝てるほうがいいのだが、少し気負った感情が取り残されたような感覚がある。
彼女は額に落ちかかった少し長めの前髪をかきあげた。
「まあ、さっさと証拠を回収して山を降りて、美味しいご飯でも食べるかな」


女は妖鳥が堕ちていった方角をまっすぐに目指した。
そう遠い距離ではないはずだ。
風向きも計算したから、崖下に落ちているとかそういったこともないだろう。
果たして、そう遠くない場所にそれは居た。
そしてそれとは別のものも。
彼女は訝しげに眉を寄せる。
「…こんにちは」
それは少しだけ遠慮がちにそう口を開いた。
左右で色の違う瞳に、まず意識が惹きけられる。
「…こんなところで何をしているんだい?」
女は警戒した声を発した。
堕ちた妖鳥の傍らには、まだ5つばかりと言った小柄な少年が立っていた。

拍手

PR
 最新記事 
 アルカナこれくしょん 
 プロフィール 
HN:
S
性別:
非公開
 Secret 

Template by ららららいふ / Material by 素材くん「無料WEB素材屋」

忍者ブログ [PR]