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ある時代の流れの中に存在した、ひとつの研究施設を軸にしたキャラ紹介と物語。「戻る」はブラウザBackかパン屑リスト使用推奨です
 
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ガキッ。
金属の打ち鳴らされる鈍い音。
ドンッ!
小さな爆発音。
「ギギ…スベテ倒ス」
未だそこで戦いは続いていた。
桔梗は逆手に持ったクナイを媒介にして、ガビィの巨体に魔力を送り込む。
唱えるのはもちろん、木属性の呪文だ。
機械兵と呼ばれる彼らが雷撃系の魔法に弱いのは、たとえそれを知識として知っていなくても分かる。
それを空気から悟ったガビィが、ブーストのかかった腕を薙ぐようにして振り下ろした。
桔梗の細身の体が、勢いよく横に跳ね飛ばされる。
しかしそれと逆行するように飛び出した電撃が、ガビィの肩口を直撃した。
「……む」
「ぅ……なかなかやりますわね…」
戦いの余波が辺りの空気をビリビリと震わせる。
緊張と戦意その中で。
ふとガビィの顔が里の入り口遥か向こう側に向いた。
「ジ……食材ノ波動をキャッチ。これよリ捕獲に入ル」
「え…?」
「…『ウィング』発動。食材マデのキョリ1km、逃げる意思ナシと判断」
次々に口に出される言葉に、桔梗は返す言葉がない。
あっけにとられて見ている間に、ガビィの姿は遠く小さくなっていった。
「…食材……?」
桔梗の唇から呆然とした呟きが漏れる。
「この季節に…? 冬眠から目覚めた熊でも居たというの?」
いや、そんなことよりも。
里の入り口を一陣の風が吹き抜けた。
「私はいったいどうすれば……?」
何というか結構切実な問題だった。

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