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ある時代の流れの中に存在した、ひとつの研究施設を軸にしたキャラ紹介と物語。「戻る」はブラウザBackかパン屑リスト使用推奨です
 
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セインは息を潜め、家の影から通りを見つめていた。
まっ昼間だというのに黒装束の男達がうろついている。
おそらく自分の工房のあたりは完全に包囲されていることだろう。
『セイン様…。お気持ちを変えられるなら今ですよ?』
桔梗が囁くように告げてきた言葉が、まだ耳の奥に残っていた。
『今はまだ、お命まで奪うことはありませぬ。
ですが、このままの状態を続けていれば、里の忍びたちは本気であなたを狙うでしょう』
里の忍び、その数80余り。
それに相対するセインは1人きりだ。
結果の見えたこの戦いに、表立って手を貸そうとする者はいなかった。
(従えば大切な物を自らの手で壊し、逃げれば師匠と同じ道を辿る……)
セインは青いハッピを身に纏い、地を蹴ってふわっと浮かび上がる。
自らが手がけた武具だけが、今は唯一の拠り所だ。
だけど。
「巻き込みたくはありませんでしたが、手を貸すと言ってくれた人がいます。私は1人ではありませんから」
それにまだ手段はある。
すべての手を尽くしてからでないと本当の結果は分からないのだ。
身を隠し逃げ回りながら、セインは時を待っていた。

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